国内向けに自然冷媒機器を公表している8社を、冷蔵倉庫・店舗・厨房・研究保存の用途別に一覧にしました。選定条件と調査時点、各社の公式製品ページと詳細ページへの入口をまとめています。
自然冷媒を使う機器は、冷蔵倉庫の冷凍機から売場のショーケース、厨房の冷蔵庫、研究室の超低温フリーザーまで幅があります。同じ「自然冷媒機器メーカー」でも扱う製品はまったく違うため、このページでは用途ごとに会社を分けて並べました。並びは順位ではありません。
各社の紹介文は、公式サイトで確認できた製品名と仕様の数値を中心にまとめました。数値には測った条件を括弧で添えています。気になる会社が見つかったら、詳細ページで機種の構成やサービス体制を確かめ、公式サイトの製品ページで最新の仕様を見てください。
このサイトで紹介する8社は、2026年10月21日に次の手順で選びました。
母数は8法人です。冷媒ガスの販売だけを行う会社、家庭用機器や給湯専用の機器を扱う会社は対象から外しています。検索の網羅性には限りがあるため、条件を満たす会社がほかにも見つかれば、調査日を改めて掲載を見直します。
掲載各社から広告費は受け取っておらず、掲載内容の確認も依頼していません。数値と製品名は、各社の公式サイトに載っている情報をそのまま使っています。冷蔵倉庫の更新に絞った3選は自然冷媒機器えらびのTOPで紹介しています。
8社を、主な製品が使われる場所で4つに分けました。複数の用途にまたがる会社は、公式サイトで中心に紹介されている製品の用途に置いています。
前川製作所
アンモニアとCO2を組み合わせた自然冷媒冷凍機「NewTon」を展開しています。F級冷蔵倉庫向けの最大機種R-8000は270.0kW(CO2供給-32℃・冷却水32℃時)で、大型の冷凍庫を少ない台数で冷やす計画に向く構成です。メーカー系列のサービス拠点は全国54か所と公表されています。
日本熱源システム
CO2冷凍機「SGシリーズ」を扱います。タイプFの特別仕様では庫内-43℃に対応し、最大のSG-F4は162.0kW(庫内-25℃時)です。製品ページには冷凍室と冷蔵室を同時に冷やすF/C同時冷却型も載っています。自社のサービスステーションは5か所です。
▶ 公式HPでSGシリーズを見る / 日本熱源システムの詳細
三菱重工サーマルシステムズ
CO2コンデンシングユニット「C-puzzle」のシリーズを持ちます。最小のHCCV(S)1001は17.5kW(庫内+5℃時)で、10/20/40馬力のユニットを同じ外形で並べて置けるのが設計上の特徴です。冷凍・冷蔵製品の国内の販売と保守はグループの三菱重工冷熱が担い、冷凍・冷蔵プラントを受け持つエンジニアリング事業本部は全国7か所に置かれています。
▶ 三菱重工冷熱の公式HPで相談する / 三菱重工サーマルシステムズの詳細
パナソニック HVAC & CC
CO2を冷媒に使う冷凍機と、売場に置く別置型ショーケースの両方を手がけています。国内向けに10馬力のCO2冷凍機を発表しており、海外では屋外型冷凍機とケースを組み合わせた採用例も公表されています。屋外の冷凍機と店内のケースを組み合わせて更新したい店舗で、名前の挙がる会社です。
▶ 公式発表で機種を確認する / パナソニック HVAC & CCの詳細
フクシマガリレイ
プロパン(R290)を使う内蔵型の冷凍ショーケースを発表しています。冷凍機を本体に収めているので冷媒配管が要らず、電源は単相200Vです。公式発表の機種は581Lで、-25~-18℃の陳列用。段ボールのまま商品を並べられる構造も紹介されています。
ホシザキ
業務用の縦型冷蔵庫・冷凍庫で、イソブタン(R600a)やプロパン(R290)を冷媒に使う機種を公式サイトに掲載しています。飲食店や給食施設の厨房で、食材の保管庫を入れ替えるときの相談先になります。営業・サービスの拠点網も公式サイトで公表されています。
▶ 公式HPで厨房機種を見る / ホシザキの詳細
日本フリーザー
研究用の低温フリーザーを扱う会社です。SF-3120HCはR290を使う310Lの機種で、NFシリーズには炭化水素の混合冷媒が使われています。-30~-60℃帯の保存を想定した製品群です。掲載機種の製造元について公式サイトで確かめきれていない点があるため、詳細ページは確認できた範囲の情報にとどめています。
PHC
超低温フリーザーを展開しています。MDF-DU901VHS1は845L・炭化水素冷媒・100V電源の機種で、温度範囲は-85~-50℃と公表されています。冷却回路を2つ独立させた構成は、別モデルの「TwinGuard ECO」で案内されています。
▶ 公式HPでMDF-DU901VHS1を見る / PHCの詳細
冷蔵倉庫の冷凍機を扱う3社については、公式サイトで共通して確認できた4つの指標を並べています。TOPの比較表と同じ内容です。
| 項目 | 前川製作所 | 日本熱源システム | 三菱重工サーマルシステムズ |
|---|---|---|---|
| 最大機種の冷却能力 | 270.0kW(R-8000、CO2供給-32℃・冷却水32℃時) | 162.0kW(SG-F4、庫内-25℃時) | 143.3kW(CSTS8001MF、庫内+5℃・外気+32℃時) |
| 倉庫用の庫内温度の下限 | CO2供給-32℃(庫内温度はこれより高い) | 庫内-43℃(タイプF特別仕様) | 庫内-35℃ |
| 最小機種の冷却能力 | 94.7kW(R-3000) | 33.9kW(SG-F1、庫内-25℃時) | 17.5kW(HCCV(S)1001、庫内+5℃時) |
| 自社系列のサービス拠点数 | 全国54拠点 | サービスステーション5か所 | 三菱重工冷熱 エンジニアリング事業本部7か所 |
※2026年10月21日時点の各社公式サイトの情報をもとに作成。拠点数は協力会社を含みません。
能力の値は会社ごとに測った温度条件が違います。庫内温度で示す会社もあれば、CO2の供給温度や冷却水・外気の温度で示す会社もあるため、横に並べた数字は大小の目安として読んでください。3社をどんな倉庫に振り分けたかはTOPの3選、倉庫ごとの確認手順は冷蔵倉庫用冷凍機の選び方で解説しています。
同じ自然冷媒でも、置く場所によって機器の形と冷媒の選び方が変わります。
冷蔵倉庫や食品工場では、大きな空間を長時間冷やし続けるため、数十kWから数百kWの冷凍機を機械室や屋外に置きます。アンモニアやCO2がよく使われ、アンモニアは機械室にとどめて、庫内側にはCO2を回す方式もあります。
スーパーの売場では、屋外の冷凍機から配管で冷媒を送る別置型と、冷凍機を本体に収めた内蔵型のショーケースがあります。別置型はCO2、内蔵型はプロパンが多く、改装の規模や営業を止められる時間で選び方が分かれます。
厨房の冷蔵庫・冷凍庫や研究用フリーザーは、1台で完結する製品です。冷媒の量が少なくて済むため、イソブタンやプロパンなどの炭化水素が使われます。研究用では-80℃付近まで冷やす機種もあり、必要な保存温度が候補を決める最初の条件になります。
このため、ある用途で名前の知られた会社が、別の用途の機器を扱っているとは限りません。倉庫の冷凍機を探しているのにショーケースのメーカーへ問い合わせると、話がかみ合わないこともあります。まず自社の用途がどれに当たるかを決めてから、その用途の会社に絞って比べるのが近道です。
用途ごとの詳しい違いは用途別の自然冷媒機器でまとめています。
候補の会社が見えてきたら、問い合わせの前に次の3つを書き出しておくと、提案の比べやすさが変わります。
同じメモを複数の会社に渡せば、返ってくる機種や台数を同じ前提で読めます。冷凍機の場合は、既設の冷媒の種類と、冷却塔などの付帯設備の状況も添えるとよいでしょう。届出の要否は採用する型式で変わるため、機種が絞れた段階で販売元に確かめてください。選び方の全体像は自然冷媒機器の選び方で順を追って紹介しています。