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三菱重工サーマルシステムズ

三菱重工サーマルシステムズのCO2冷凍機C-puzzleについて、最小17.5kWからの機種構成、庫内-35~+10℃の範囲、法定冷凍トンの公表、販売・保守を担う三菱重工冷熱の拠点を整理します。小さな部屋を段階的に冷やしたい方向けです。

このページの数値と製品名は、2026年10月21日から22日にかけて確認した三菱重工サーマルシステムズと三菱重工グループの公式サイトにもとづいています。2024年の発表資料と現行の製品ページでは型式や仕様の書き方が違うため、どちらの情報かを分けて記しました。

三菱重工サーマルシステムズに相談が向く倉庫

このサイトのTOPでは、冷蔵倉庫の冷凍機更新を「倉庫の条件別」に3社へ振り分けています。三菱重工サーマルシステムズを当てはめたのは「小さな部屋を段階的に足したい倉庫」です。

根拠は、最小機種のHCCV(S)1001が17.5kW(庫内+5℃時)と、比較した3社の最小機種の中で小さな値を公表していることです。加えて、10馬力・20馬力・40馬力のユニットが同じ外形でつくられ、横に並べて置けると公式ページで紹介されています。

具体的には、次のような計画で話を聞く価値があります。

  • 冷蔵室が複数あり、更新の時期を部屋ごとにずらしたい
  • まず1部屋を自然冷媒に替え、効果を見てから残りを替えたい
  • 空き区画を後から冷蔵室に変える予定がある

反対に、大きなF級庫を少ない台数で冷やしたい場合は、1台あたりの能力が大きい機種を持つ会社と比べたほうが計画を立てやすいでしょう。3社の振り分けは自然冷媒機器えらび、倉庫ごとの確認手順は冷蔵倉庫用冷凍機の選び方で解説しています。

C-puzzleの機種構成と能力

C-puzzleは、CO2を冷媒に使う冷凍・冷蔵用のコンデンシングユニットのシリーズです。圧縮機には、スクロールとロータリーを組み合わせた二段圧縮機「スクロータリー」が採用されていると、2024年1月の三菱重工の発表で説明されています。

現行の製品ページに載っている主な型式と能力は次のとおりです。

型式冷却能力条件
HCCV(S)100117.5kW庫内+5℃・外気+32℃時
HCCV(S)2001M(F)35.8kW庫内+5℃・外気+32℃時
HCCV(S)4001M(F)71.6kW庫内+5℃・外気+32℃時
CSTS8001MF(-S)143.3kW庫内+5℃・外気+32℃時

※2026年10月21日時点の公式製品ページより。能力は標準回転数での値。

4機種とも電源は3相200V、使用できる周囲温度は-15~43℃です。圧縮機はインバーターで起動する二段圧縮スクロータリーで、HCCV(S)1001は1台、2001M(F)と4001M(F)は2台・2台×2、80馬力のCSTS8001MF(-S)は2台を搭載しています。80馬力機は冷凍機ユニットとガスクーラーユニットを上下に分けて設置することもできます。

いずれも庫内+5℃という冷蔵の条件での値です。冷凍(F級)の部屋で使う場合、同じ機種でも能力はこれより小さくなります。他社が庫内-25℃やCO2供給-32℃で示した値と比べるときは、条件をそろえて読み替える必要があります。能力値の読み方は冷凍能力の見方にまとめています。

▶ 三菱重工冷熱の公式HPで冷凍・冷蔵設備の取扱いを見る

10/20/40馬力の構成

製品ページでは、10馬力・20馬力・40馬力のユニットが、同社の業務用ヒートポンプ給湯機Q-tonと同じ外形で、横に並べて置けると紹介されています。

段階的に足す計画では、最初の1台を置く場所に、後から増やすユニットの分まで余白を残しておくことが大切です。外形がそろっていれば、増設したときの並びや配管の取り回しを最初から描きやすくなります。冷媒配管は最大100m、高低差22mまでと示されており、屋上や離れた場所にユニットを置く計画でも目安になります。

ただし、電源の容量や配管のルートは台数に応じて増えます。最終的に何台並べるかを想定したうえで、初回の工事でどこまで用意しておくかを決めましょう。

複数台の組み合わせ

2024年1月25日の発表では、10馬力と20馬力の機種が追加され、油の管理機能「M-DIOMAC」がパッケージに組み込まれたと説明されています。3台をつなぐと最大60馬力の構成にでき、つなげるクーラーは10馬力機で8台、20馬力機で16台までとされています。

複数台を制御するコントローラーは、指定のCAREL社製を別途購入する形でした。これは2024年発表時点の内容で、現行の型式や構成とは一致しない部分があります。採用を検討する段階では、最新の組み合わせ条件と、制御機器の手配範囲を販売元に確認してください。

庫内温度の範囲

現行の製品ページでは、庫内温度の範囲が-35℃から+10℃と示されています。冷蔵室から一般的な冷凍室まで、同じシリーズで構成できる幅です。

一方、2024年の発表資料には「使用温度範囲-45~-5℃」という記載があります。これは蒸発温度の範囲で、庫内温度とは別の指標です。現行の製品ページでも、使用蒸発温度範囲(-45~-5℃)と庫内温度(-35~+10℃)が分けて書かれています。カタログを読むときは、どちらの温度かを確かめてください。

-40℃台の超低温庫が必要な場合は、庫内-35℃の範囲を超えるため、ほかの候補と比べる必要があります。倉庫での更新の進め方は冷蔵倉庫の自然冷媒冷凍機で解説しています。

法定冷凍トンと届出

C-puzzleの製品ページには、型式ごとの法定冷凍トンが掲載されています。値は2.98トン、5.96トン、11.92トン、19.28トンで、全機種が20トン未満のため高圧ガスの製造届出が不要と記されています。

高圧ガス保安法では、冷凍設備の規模を「法定冷凍能力(法定冷凍トン)」で表し、その大きさと冷媒の種類で届出や許可が要るかが決まります。メーカーが機種ごとに値を公表していると、計画の早い段階で手続きの見通しを立てやすくなります。

ただし、複数台を同じ系統で使う場合の扱いや、自治体ごとの運用は個別に確認が必要です。採用する構成が決まったら、販売元と都道府県の窓口に確かめてください。ほかの2社は型式別の法定冷凍トンを公式サイトで確認できなかったため、このサイトでは比較の軸に入れていません。届出の基本は冷凍機と高圧ガス保安法、工事の段取りは自然冷媒冷凍機への更新手順で解説しています。

販売・アフターサービス体制

三菱重工サーマルシステムズが開発・生産した製品は、グループの販売会社を通じて届けられます。三菱重工サーマルシステムズの拠点情報ページでは、冷凍・冷蔵製品を扱う会社として三菱重工冷熱に〇が付いています。同じ表で菱重コールドチェーンに〇があるのは輸送用冷凍機だけです。そこでこのサイトでは、C-puzzleを含む冷凍・冷蔵設備の相談先を三菱重工冷熱として案内します。

三菱重工冷熱は、冷凍・冷蔵・製氷設備などの設計・施工と保守を事業に掲げる会社です。公式サイトのエンジニアリング事業のページには、流通配送センター・冷凍冷蔵庫やCO2/NH3の冷却設備が取扱いの例として並んでいます。サービスの紹介ページでは、エキスパートが全国の拠点に展開していると説明されています。

公式サイトに拠点の総数は書かれていません。そこで拠点一覧のうち、冷凍・冷蔵プラントを受け持つエンジニアリング事業本部の営業部・サービス部の所在地を数えました。札幌、仙台、東京都大田区、神奈川県大和市、名古屋、大阪、福岡の7か所で、部署の単位では11になります。空調事業本部の営業所まで含めると会社全体の拠点はもっと多いものの、空調機の窓口が中心のため比較表には入れていません。

このサイトの比較表では、この定義で「三菱重工冷熱 エンジニアリング事業本部7か所」としています。最寄りの拠点が自然冷媒機の保守を受け持つか、夜間・休日に駆けつけてもらえるかは、問い合わせの際に確かめておきましょう。保守体制の比べ方は冷凍機の保守・サービス体制にまとめています。

導入事例

三菱重工サーマルシステムズの公式サイトには、食品分野の納入事例としてカネフジ冷蔵、福岡運輸、ニチレイ・ロジスティクス九州 箱崎、カナカン金沢低温センター、キユーピー階上工場が掲載されています。どの事例でどの型式・馬力が使われたかは、一覧の範囲では確認できませんでした。

ニチレイ・ロジスティクス九州の箱崎埠頭物流センターについては、2021年11月24日に大型機「C-puzzle80」の出荷式典が開かれたことも公式に紹介されています。選定の背景として、自然冷媒であること、日本製の圧縮機、省スペースが挙げられています。これは80馬力の別製品の話で、10馬力・20馬力の機種の採用例ではない点に注意してください。

掲載先には冷蔵倉庫を営む会社のほか、物流会社や食品メーカーの工場も含まれており、倉庫と製造の両方で使われていることが分かります。施設の所在地も、青森県のキユーピー階上工場から石川県の金沢、福岡県の箱崎埠頭まで各地に広がっています。

自社と近い規模の事例があれば、型式と台数、工事の進め方を販売元に尋ねてみるとよいでしょう。

会社概要

基本情報

項目内容
社名三菱重工サーマルシステムズ株式会社
本社東京都千代田区丸の内三丁目2番3号 丸の内二重橋ビル
代表者取締役社長 伊藤喜啓
営業開始2016年10月1日
資本金120億円
事業所枇杷島製作所、神戸製作所、相良工場
事業内容冷熱製品とその関連製品の設計・製造・調達・品質保証・販売・サービス

※2026年10月22日時点の公式会社概要より。

グループ体制

三菱重工サーマルシステムズは、三菱重工業から冷熱事業を受け継いで独立した、三菱重工の100%出資会社です。空調機、ターボ冷凍機、輸送用冷凍機、カーエアコンなど、冷熱分野の幅広い製品を扱っています。

国内の販売とサービスはグループ会社が分担しています。冷凍・冷蔵製品を受け持つ三菱重工冷熱は1976年4月1日の設立で、本社は東京都港区芝浦にあります。資本金は4億円、三菱重工サーマルシステムズが全額を出資し、社員数は1,129名(2026年4月1日時点)です。2013年10月に現在の体制で発足し、2015年7月には東洋製作所を統合しました。輸送用冷凍機の販売・整備は菱重コールドチェーンが担っています。

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