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自然冷媒の基礎知識

自然冷媒とは何か、どのような機器で使われているのか、フロン規制とどう関わるのかを、環境省などの公的な情報をもとにまとめました。冷媒ごとの性質や法規の詳しい解説ページへも案内します(確認日2026年10月21日)。

自然冷媒とは

自然冷媒は、自然界にもともと存在する物質を冷媒として使うものです。環境省は代表的な例として、アンモニア、二酸化炭素(CO2)、水、空気、プロパン、イソブタンを挙げています(環境省 自然冷媒の解説ページ、確認日2026年10月21日)。

冷媒は、冷凍機やエアコンの中を循環しながら熱を運ぶ物質です。これまで業務用の冷凍冷蔵機器では、フロン類が広く使われてきました。フロン類にはCFC、HCFC、HFCがあり、オゾン層を破壊するものや、地球温暖化への影響が大きいものが含まれます。たとえばエアコンなどで使われてきたR-410Aは、地球温暖化への影響がCO2の約2千倍とされています(同ページ)。

自然冷媒は、こうしたフロン類に代わる冷媒として注目されています。ただし、冷媒ごとに性質が大きく異なり、毒性や可燃性を持つものもあります。どの冷媒が向いているかは、使う機器の大きさや用途によって変わります。業務用の機器を選ぶときは、冷媒の種類だけで判断せず、機器の性能や設置の条件、保守体制まで含めて比べることが大切です。

冷媒主な性質主な使われ方
二酸化炭素(CO2)不燃で毒性がないショーケース、冷凍冷蔵倉庫、給湯
アンモニア効率が高い一方、毒性と可燃性がある大規模な倉庫、食品加工
空気超低温域で使われる零下50℃から零下100℃を超える超低温
水吸収式の冷凍機で使われる吸収式冷凍機
イソブタン可燃性がある家庭用冷蔵庫、小型の内蔵型ショーケース
プロパン可燃性がある内蔵型のショーケースや業務用冷蔵庫など

表の性質と使われ方は環境省の解説ページをもとにしています。プロパンの使われ方は、メーカーが公表している製品の例を参考に記載しました。

基礎知識の記事一覧

自然冷媒についての解説ページを、冷媒と機器に関する記事と、法規に関する記事に分けて紹介します。

冷媒と機器

  • 自然冷媒の種類。CO2、アンモニア、炭化水素などの性質の違いと、向いている用途を整理しています。
  • CO2冷凍機の仕組み。CO2を冷媒とする冷凍機の特徴と、冷蔵倉庫やショーケースでの使われ方を解説します。
  • アンモニア・CO2冷凍機の仕組み。アンモニアでCO2を冷やす間接方式の考え方と、安全性を高める工夫をまとめています。

法規

使われる機器

自然冷媒は、大型の冷凍機から小型の冷蔵庫まで、さまざまな業務用機器で使われています。機器の大きさによって、使われる冷媒の種類も変わる傾向があります。

冷凍機

冷蔵倉庫や食品工場で使われる大型の冷凍機では、CO2や、アンモニアとCO2を組み合わせた方式が使われています。環境省は、アンモニアについてCO2を二次冷媒として組み合わせたり、充填量を少なくしたりすることで、安全性を高める使い方が広がっていると紹介しています。

前川製作所のNewTonシリーズはアンモニアでCO2を冷やす間接方式で、アンモニアを機械室内にとどめる構成です。日本熱源システムのスーパーグリーンはCO2を冷媒とする冷凍機で、F級とC級の部屋に対応するタイプを公表しています(各社公式サイト、確認日2026年10月21日)。冷凍機の比べ方は冷蔵倉庫用冷凍機の選び方で解説しています。

ショーケース・冷蔵庫・フリーザー

スーパーのショーケースや厨房の冷蔵庫、研究用のフリーザーなど、比較的小型の機器では、プロパン(R290)やイソブタン(R600a)といった炭化水素系の冷媒も使われています。

たとえばフクシマガリレイは、R290を使った冷凍機内蔵型のショーケースを2025年9月1日に発売し、冷媒配管の工事が不要な点を公表しています。ホシザキは業務用冷蔵庫でR600aやR290を使った機種を、日本フリーザーとPHCは研究用の超低温フリーザーで炭化水素系の冷媒を使った機種を公表しています(各社公式サイト、確認日2026年10月21日)。

炭化水素系の冷媒は可燃性があるため、機器の充填量や設置の条件が定められています。用途ごとの機器の違いは用途別の自然冷媒機器で整理しています。

規制との関係

自然冷媒への切り替えが進む背景には、フロン類の規制があります。フロン類のうち、オゾン層を破壊するCFCとHCFCは段階的に生産が規制されてきました。地球温暖化への影響が大きいHFCも、生産量や消費量を減らしていく取り組みが進められています。

一方で、自然冷媒には別の法規が関わることがあります。アンモニアやCO2を使う冷凍機は、冷凍能力によって高圧ガス保安法の届出や許可が必要になる場合があります。茨城県は、フロンを使っている機器を可燃性の自然冷媒に入れ替える場合、高圧ガス保安法の許可や届出、防爆性能の確認が必要になる場合があると案内しています(茨城県 自然冷媒への入替に関する案内、確認日2026年10月22日)。

自然冷媒の機器は、フロン規制の対象から外れる一方で、高圧ガスや可燃性に関する基準を満たす必要があります。導入を検討するときは、両方の法規をあわせて確認しておくと安心です。手続きの要否は機器の構成や台数によって変わるため、メーカーや施工会社、所管の都道府県に早めに相談してください。

選び方へ

自然冷媒の基本がわかったら、次は用途と温度帯に合わせて機器を選ぶ段階です。選ぶ前に決めておきたい5つのことと、検討段階ごとの記事を自然冷媒機器の選び方でまとめています。

冷蔵倉庫や食品工場の冷凍機を検討している場合は、TOPページの比較表で3社の公表内容を確かめられます。

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