日本熱源システムのCO2冷凍機スーパーグリーン(SGシリーズ)を、型式別の冷却能力、庫内温度の範囲と特別仕様、F/C同時冷却型、サービスステーションの公表内容から整理します。超低温の部屋を持つ倉庫向けです。
このページの数値と製品名は、2026年10月21日から22日にかけて確認した日本熱源システムの公式サイトにもとづいています。能力の値には、メーカーが示した庫内温度の条件を添えました。
このサイトのTOPでは、冷蔵倉庫の冷凍機更新を「倉庫の条件別」に3社へ振り分けています。日本熱源システムを当てはめたのは「超低温の部屋まで扱いたい倉庫」です。
根拠は、タイプFの特別仕様で庫内-43℃に対応すると公式に示していることです。比較した3社のうち、倉庫用として示された庫内温度の下限ではこの値が低い側にありました。マグロなど-40℃台で保管する品目を扱う倉庫では、ふつうのF級庫向けの機種では温度が届かないことがあるため、最初に確かめたい候補になります。
もう1つの特徴は、冷凍室と冷蔵室が同居する倉庫への提案が具体的なことです。1台の冷凍機で冷凍と冷蔵の部屋を同時に冷やす「F/C同時冷却型」や、荷物に合わせて部屋の温度を切り替える運転が公式サイトで紹介されています。
一方で、1台あたりの能力は最大のSG-F4で162.0kW(庫内-25℃時)です。非常に大きな冷凍庫を少ない台数でまかないたい場合は、必要な台数と機械室の広さを他社の提案と比べてみるとよいでしょう。こうした点も含めて、上のような計画で話を聞く価値があります。3社の振り分けは自然冷媒機器えらび、倉庫ごとの確認手順は冷蔵倉庫用冷凍機の選び方で解説しています。
日本熱源システムのCO2冷凍機は「スーパーグリーン」の名前で展開されています。冷蔵倉庫向けの中心は、冷凍用のタイプFと冷蔵用のタイプCです。ほかに食品凍結用のFF(FF300~1500など)や、ブラインを冷やすチラー型もあります。
公式サイトは能力を庫内温度の条件で示しており、倉庫の設計温度と照らし合わせやすい書き方です。ただし他社はCO2の供給温度や外気温度で示していることがあるので、横に並べるときは条件の違いに注意してください。能力値の読み方は冷凍能力の見方にまとめています。
| 型式 | 冷却能力 | 条件 |
|---|---|---|
| SG-F1 | 33.9kW | 庫内-25℃時 |
| SG-F2 | 67.8kW | 庫内-25℃時 |
| SG-F3 | 102.4kW | 庫内-25℃時 |
| SG-F4 | 162.0kW | 庫内-25℃時 |
※2026年10月21日時点の公式製品ページより。
冷却できる範囲は庫内-45~-15℃で、標準は-25℃です。F1からF4まで能力がおおむね倍々に並んでいるため、部屋の大きさに合わせて型式を選び、大きな庫では複数台を組み合わせる考え方になります。
| 型式 | 冷却能力 | 条件 |
|---|---|---|
| SG-C1 | 41.0kW | 庫内0℃時 |
| SG-C2 | 83.3kW | 庫内0℃時 |
| SG-C3 | 124.4kW | 庫内0℃時 |
| SG-C4 | 166.6kW | 庫内0℃時 |
※2026年10月21日時点の公式製品ページより。
タイプCの対応範囲は庫内-15~+15℃で、冷蔵庫や荷捌き室に使う系統です。タイプFとタイプCを部屋ごとに使い分ければ、温度帯の違う部屋を同じシリーズで構成できます。
タイプFの標準の冷却可能範囲は庫内-45~-15℃と示されています。そのうえで、特別仕様にすると庫内-43℃に対応すると明記されています。
ここで気を付けたいのは、-43℃が「特別仕様」の値だという点です。標準品とは仕様が異なるため、納期や価格の条件が変わる可能性があります。必要な部屋の数と温度、保管する品目を伝えて、早めに見積もりを取ると計画が立てやすくなります。
-40℃台の部屋は、扉の開け閉めや荷物の出し入れで温度が上がりやすい空間でもあります。冷凍機の能力だけでなく、前室の有無や扉の構造も含めて相談すると、温度を保つための全体の設計が見えてきます。倉庫での更新の進め方は冷蔵倉庫の自然冷媒冷凍機で解説しています。
公式の製品ページには、タイプFの中に「F/C切換型」と「F/C同時冷却型」があると記されています。システム提案のページでは、冷凍と冷蔵を同時に使う倉庫、切り替えて使う倉庫、冷凍庫の前室を用途として挙げています。CO2冷凍機の仕組みそのものはCO2冷凍機で解説しています。
なお、1台で冷凍室と冷蔵室を同時に冷やす構成について、ほかの2社は公式サイトで確認できませんでした。このサイトでは比較の軸に入れておらず、他社ができないという意味でもありません。
同時運転は、1台の冷凍倉庫用CO2冷凍機で、冷凍倉庫と冷蔵倉庫を同時に冷やす方式です。公式サイトでは、冷凍庫とその手前の前室をまとめて冷やす使い方に向くと説明されています。
切替運転は、1台の冷凍機で部屋の温度を切り替える方式です。ある時期は冷凍倉庫として使い、荷物が入れ替われば冷蔵倉庫として使う、という運用が紹介されています。部屋ごとに冷凍機を用意するより台数を抑えられる可能性がありますが、どの部屋を同じ系統にまとめられるかは熱負荷の計算で決まります。
システム提案のページでは、冷凍機から出る熱を倉庫の中で使う方法も示されています。
温水に使う場合、冷凍・冷蔵のCOP1.6~2.0程度に対し、排熱を利用することでCOP2.5~3.0まで向上できると記されています。いずれもメーカーが示した条件での値なので、自社の施設で同じ効果が出るかは、使う湯量や霜取りの回数を伝えて試算してもらいましょう。
公式サイトの納入実績には、営業冷蔵倉庫の実名と機種、台数、納入年月が並んでいます。
| 納入先 | 機種・台数 | 納入 |
|---|---|---|
| 青葉冷凍 仙台東物流センター | SG-F2×9台 | 2019年2月 |
| よつ葉乳業 十勝主管工場 保管庫 | SG-F2×2台、SG-C2×3台 | 2019年2月 |
| 国分グループ 関西総合センター | SG-F2×9台、SG-C2×14台、SG-C1×1台 | 2019年8月 |
| フリゴ咲洲 | SG-F4DH×3台ほか | 2023年2月 |
| 日本水産 八王子総合工場(社名は掲載当時) | SG-FF300×2台 | 2017年8月 |
※2026年10月21日時点の公式納入実績より。
よつ葉乳業と国分グループの例では、同じ施設にタイプFとタイプCが一緒に納められています。一覧からは選定の理由までは分からないため、似た規模の事例を挙げて、どんな条件で選ばれたのかを営業担当に尋ねるとよいでしょう。
ここに挙げたのは公式一覧の一部で、ほかにも食品工場や物流センターへの納入が掲載されています。自社と同じ業種や地域の事例があれば、見学や問い合わせのきっかけになります。
累計販売台数については「800台を突破」と公式に掲載されていますが、2026年以降に納入予定の案件を含むと注記されています。稼働中の台数とは扱いが異なります。
公式サイトのトップページでは、保守は自社のメンテナンスチームと各地の協力会社で行うと案内されています。北海道・東京・滋賀・大阪・福岡のサービスステーションに自社のサービスマンが常駐し、圧縮機やバルブなどの部品を在庫しているとのことです。
このサイトの比較表では、協力会社を数えない定義で「サービスステーション5か所」としています。協力会社の数は公表されていないため、拠点が少ないという評価にはしていません。倉庫が拠点から遠い場合は、どの協力会社が受け持つのか、夜間の連絡をどこが受けるのかを事前に確かめておきましょう。部品を拠点に置いているかどうかは、故障したときの復旧までの時間に関わります。見積もりの際には、自社の倉庫から近いサービスステーションと、そこで在庫している部品の範囲、定期点検の頻度と費用を書面で示してもらうと比べやすくなります。保守体制の比べ方は冷凍機の保守・サービス体制にまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | 日本熱源システム株式会社 |
| 創業 | 1987年1月7日 |
| 本社 | 東京都新宿区四谷1-6-1 四谷タワー20階 |
| 代表者 | 原田克彦 |
| 資本金 | 4,500万円 |
| 社員数 | 150名 |
| 主な製品 | 産業用冷凍機、CO2冷媒冷凍機、アンモニア冷媒冷凍機、空調用ヒートポンプ・氷蓄熱システム、地中熱利用ヒートポンプ、太陽光温水器など |
| 工場 | 滋賀工場(滋賀県大津市)、大阪の第一工場・第二工場(大阪府茨木市) |
※2026年10月22日時点の公式会社概要・事業所紹介より。
公式の沿革によると、2015年2月にCO2冷凍機の初号機を納入し、同じ年にCO2冷凍機「スーパーグリーン」を発表しました。滋賀工場の開発センターでは、冷凍機の省エネや熱利用システムの研究開発を行っていると記されています。
公式サイトでは、2027年1月に社名を「株式会社JEXSYS(ジェクシス)」へ変更すると告知されています。サイトの表記にはすでにJEXSYSの名前が併記されています。社名が変わった後も、製品名や問い合わせ先がどう引き継がれるかは公式サイトで確認してください。